これまで、皆様からいただいた質問について触れていきたいと思います。
Q.海外でエステティシャンとして働いてこられたようですが、住む国や人種によってお肌の状態やお手入れは違いますか?
A.私は2000年にオーストラリアでエステサロンをオープンし、店舗契約満了までの7年間、エステティシャンとしてオーストラリアで働いてきました。
リゾート地ということもあり、世界各国のセレブにご来店いただきました。私にとっては、いろんな国々の女性の肌質、肌性、お手入れ法の違いを学ぶことができました。
現地オーストラリアに長年住む女性のお肌の例
白人のお肌はアジア人(黄色肌)や黒人種肌とは違って、メラニン色素が薄く透明かかっているため、濃い色のメラニン色素を持つ肌よりも紫外線の影響を受けやすいのでしょう。その上、サロンのあった場所、QLD(クイーンズランド)州はオゾンホールがあり、紫外線が強かったため小さな子供から大人まで、国の政策のひとつとしてTVで流れるコマーシャル「スリップ、スロップ、スラップ」(上着をはおって、UVクリームを必ずつけて、帽子やサングラスを忘れずに!)が当たり前。
それでも強い紫外線の影響はあり、当時私のまわりでも「皮膚がんになってしまった」もしくは「皮膚がんになる可能性のあるシミを見つけた」とオーストラリアの友人、学校の先生、ご近所さん、そして私のサロンスタッフも病院で治療している人が頻繁にいたくらいです。
そして硬水と乾燥とこの2つが加わると、美しくなめらかな肌を保つことは難しかったです。しかし、美しい印象を持つ女性が多いのはなぜでしょう?
日々のケアーの悪循環
私はこう考えます。「小さな顔の中に、青やブルーの大きな瞳、高く筋の通った鼻、そしてきれいに揃った白い歯」。
これらのパーツが揃ったお顔立ちは、お肌のトラブルをあまり感じさせないのでしょう。
アジア人は大きなキャンパスの中に小さなパーツの平たんな顔ですから、肌質がしっかりしていないと美しい外観は損なわれるかもしれませんね。
そんな中、心配なことがあります。お肌の表面がいつも乾燥してガサつきがあるオーストラリアに長く住む白人、女性に多いのですがスクラブ洗顔をいまだに続けている人が多いということ。
しかも弱い肌を守ろうとして自然の人間の恵みにより、体毛を多くして皮膚というバリア機能を守ろうと生えているにもかかわらず、定期的に脱毛ワックスをしている女性も多いです。どちらの行いも肌のバリア機能をより弱らせてしまい、そこに紫外線が加われば悪循環に追い打ちをかけてしまっている状態。心配です。
韓国の女性の肌の例
私たち日本人と同じ黄色人種ですが、美肌作りに関する考え方の違いもありますが、私が注目したのが、ご先祖様からなるルーツが今の韓国の女性の美容法に繋がっていると感じています。
私の韓国の友人たち、クライアント様によると多くの女性たちは10代後半からプチ整形をはじめているそうです。
目の二重、アゴのエラを小さく、鼻を高く、眉毛にはっきりとタトゥーを入れるなどなど。韓国の女性の美意識は高いです。
そしてよく拝見するのが、韓国の女性のツルツル、ピカピカ光っているお肌。
これは「あかすり」もしくは「こする」という美容習慣からなるものでしょう。私はそこに違和感を感じています。
現代の美容界では、論外とされる「肌をこする」という刺激をなぜ美容法として韓国の女性が行っているのか。
キーワードは「キムチ」と「サウナ」。
色々な説からこう考えます。
韓国のソウルフード「キムチ」。キムチはとってもヘルシーで、日本人も大好きです。
乳酸菌豊富なキムチは、腸内環境を活発にしお肌代謝もよくなります。しかし、昔々、韓国の一部では入浴で体の老廃物をきれいにすることよりも、「サウナ」で流す汗と共に、代謝を活発にする「あかをこする」という習慣が時代背景にあったのではないかと。
代謝のよいお肌を衛生面から「こする」生活習慣が、昔の人の知恵として行われていたのでしょう。
それを現代におきかえてみると、キムチを食することは変わりなくても、昔とは生活環境が違います。
ストレス社会における自律神経のバランスを崩すことで、お肌のトラブルも多く「敏感ストレス肌タイプ」が増えていることは間違いありません。
そして、お肌を昔と同じようにこすることは、あまり賛成できませんし、弱って健康な美しい肌を損なうことが心配です。
より良い美容法を見つけるには
時代と共に生活環境が変われば、人間の体にも変化が現れます。
その変化にうまく合わせながら、昔ながらのすばらしい知恵を現代にうまく活用していけば、自分たちが生まれた地と、生活している地、時代をふまえてより良い美容法が見つかるのだと、いろんな国々の女性の肌から学びました。
その他、それぞれの国によってお肌質ももちろん違いますし、お手入れ方法、美的感覚も違ってきます。そんな伝えきれないほどの経験を具体的に学ぶことができるエステ訓練校が一月開校いたします。